ボトックス注射の悩み別治療法
ボトックス注射で解消できる可能性のある悩みについて治療法を解説します。
20代女性のボトックス
20代の女性は目立つしわのボトックス治療が必要な人は少ないでしょう。
しかし、ボトックスを使って眉毛をきりっと上げるとさらに美しくなると考える方もいらっしゃいます。
眉毛を上げるボトックス治療の場合は眉毛でなく、おでこの内側の部分に少量のボトックスを打ちます。
ボトックスの効果は2~3日後現れ、成功すれば眉毛の外側3分の1くらいのところがきりっと上がります。
眉毛を上げるボトックス治療のポイントは、初回の治療はボトックスの量をごく控えめにすることです。
そして、足りない場合には1週間以内にボトックスを追加治療します。
もしボトックスの量が多すぎると、眉毛が上がりすぎてしまったり、あるいはおでこ全体が下垂してしまって眼が開けづらくなったりするなどの問題が生じることがあるからです。
ボトックスは注射して効果が出るまでに2~3日かかります。
その後1週間くらいの間はボトックスの追加治療が可能な時期です。
1週間を過ぎると、一般にボトックスの再治療は3カ月以上待って行うようにFDAは推奨しています。
理論上、ボトックスの抗体が身体の中に増えてくる時期には、治療をしても効果が得られなかったり、思わしくない結果が生じたりする可能性があるためです。
この年齢層では、眉毛のボトックス治療以外にも、への字口のボトックス治療や、えらのボトックス治療などが多くなっています。
ただし、これらのボトックス治療は全員に効果があるわけではなく、ボトックス治療としては成功率が高いものではありません。
えらのボトックス治療では、噛み締めてときに触診でえらの筋肉の厚みを調べます。
少し噛んだだけで筋肉(こう筋)が大きく盛り上がるようであれば、ボトックスで大きな治療効果が期待できます。
そうでない場合でもある程度ボトックスの効果は出まれすが、ボトックス以外の治療、たとえばほほの外側の脂肪吸引とか骨の手術が必要になることもあります。
また歯茎の見えるガミースマイルのボトックス治療もこの年齢層では多く、ボトックスが効果を発揮します。
ただし、ボトックスを打ちすぎないよう注意することは覚えておきましょう。
ボトックスを打ちすぎると笑っても表情がなくなってしまったり、あるいは上唇の付近に変なしわが起こったりすることがあるためです。
ボトックスでわきの多汗症を治療する方もこの年代の患者さんに多く見られます。
ボトックス治療に向いていない人でなければ、多汗症のボトックス治療効果は非常に高いものがあります。
ただし、わきの多汗症ヘの治療はボトックスの使用量が多くなりますので、治療費も高くなります。お財布と相談してみましょう。
30代女性のボトックス事情
30代の女性のボトックス治療は、20代の女性のボトックス治療で多い問題に加えて、目の下のくま、眉間、目尻のしわ、鼻の根元の横じわなどの問題が多くなります。
目の下のくま以外には、ボトックス治療が効果的です。
たとえば、眉間のしわ、目尻のしわ、鼻の根元の横じわはボトックスを少量使うことで簡単に治ります。
目の下のくまの治療は、ボトックスで簡単に治るわけではありません。
たとえば、目の下斜めに走る溝を涙のしわと言いますが、このしわあるためにくまが目立つ場合があります。
このくまには、コラーゲンやヒアルロン酸などの注入物を皮下に入れる必要があります。
ヒトコラーゲンやヒアルロン酸、自分の脂肪を注入します。
ヒトコラーゲンやヒアルロン酸に比較して自分の脂肪は永続性があまりす。
下まぶたが薄く、その下の目の筋肉(眼輪筋)が透けて見えるためにくまが現れるタイプでは、さらにボトックスでは治療が困難になってきます。
この場合は、オバジのピーリングやレーザー治療が必要です。
40代女性のボトックス
40代の女性が必要としているボトックス治療が必要な問題は沢山あります。
20代、30代のボトックス治療の対象に加えて、眉間のしわ、目尻のしわ、鼻の根元のしわ、豊麗線、まぶたの下垂などもボトックス治療の対象です。
上まぶたのくぼみも気にする方が増えています。
豊麗線は、まず、ボトックスではなく豊麗線よりも上の盛り上がった部分の脂肪吸引を行います。
豊麗線のくぼみの部分には、身体のほかの部分から採取した脂肪をやはり細い注射針で注入後、マッサージを重ねて行い、豊麗線の周辺の凹凸を少なくする方法をとります。
手術が怖い方には、最近ではヒアルロン酸やヒトコラーゲンの注射がよく行われています。
効果のほどは、注入するものの量とラインの深さにもよります。
唇を上方に持ち上げる筋肉が強く発達している場合、笑った表情をした時に強く豊麗線が出ます。
この筋肉(上唇挙筋および鼻翼挙筋)に少量のボトックスを使用して筋肉の緊張を緩めることで、ある程度、豊麗線が改善される場合もあります。
ボトックスを使って、まぶたのたるみをある程度改善することもできます。
おでこの内側にボトックスを注射し、2~3日経つと眉毛の外側がリフトされます。
その際に、まぶたのたるみも矯正されます。
まぶたのたるみはボトックスを使用するより、手術で切って治したほうがすっきりする場合もあります。
手術に抵抗がある場合は、切らない二重の技術を応用してまぶたの皮膚をリフトする方法もあります。
またDSTという方法によって矯正する場合もあります。
これは切らない3点固定のリフト方式です。
上まぶたのくぼみはボトックスでは治せません。
上まぶたのくぼみには自分の脂肪を注入する方法が多くなります。
入れた脂肪は自分のものになって永久に効果が続く場合もあります。
50代女性のボトックス
50代の女性になると、さらにマリオネット線、あごの萎縮、ブルドック状のほほ、目の周りの縦じわ、下まぶたのしわ、ヘの字口などが多くなってきます。
この中でボトックス治療が効果を発揮するのは、目の周りの縦じわ、への字口、目の下のしわです。
ブルドックのようなほほ下部の垂れ下がりはマリオネット線の治療と合わせて脂肪の切削、注入の治療を行うケースが多いでしょう。
具体的には垂れ下がった脂肪を除去し、マリオネット線に脂肪を入れます。
あごの萎縮はひどくなるとでこぼこ状態になります。まるで夏みかんの皮のようにです。
あごの脂肪組織が萎縮して起こるのですが、ここも脂肪注入が向いています。
口の周りの縦じわには、ボトックスと脂肪注入の併用療法が行われます。ボトックスを打つことによつて縦じわができにくくなり、そこへ脂肪を入れることで縦じわの予防にもなります。
への字口の治療は、口の角を下に下げる筋肉に少量のボトックスを打ちます。
このボトックス治療は度々顕著な効果が現れることもあります。
目の下のしわは、いわゆるちりめんじわのように細かいしわではなく、目尻のほうに向かってできるしわがボトックス治療の対象になります。
ボトックスと男性の表情
ボトックスを考えるにあたっては男性も女性と同様、治療の対象となる問題はそれぞれの年代で起こります。
ただし、男性ならではのボトックス治療の特徴やボトックス治療をするうえでの注意点もあります。
おでこのしわにはボトックスは非常によく効きますが、眉間のしわは、女性よりも深くて頑固なタイプであることが多く、効き目も異なってきます。
こようなケースでは、女性よりも注射量が多くなります。
男性の目尻のしわに対してはボトックス治療は高い効果が期待できます。しかし、ボトックスで男性が目尻のしわをなくすと、冷たい印象を与えがちなので、注意が必要です。
アメリカではボトックスで目尻のしわの治療をしたためにビジネスがうまくいかなくなったという話がよく聞かれるのです。
男性のまぶたはたるんでもボトックスだけでは上がりにくく、上がっても、眉毛の外側が吊り上がって怒ったような印象を与てしまう場合があります。
男性のボトックス治療には表情の変化で損をすることがないよう、女性とは違った配慮が必要となります。
ボトックスと歯ぎしり
ボトックスは従来から使用されてきた治療方法以外にも、現在ではボトックス治療がさまざまに応用されています。
ボトックスによる歯ぎしり治療でも使われ始めています。
日本では3000万人以上に歯ぎしりが見られるとの報告があります。
顎関節症は若い女性によく見られますが、歯ぎしりをする人は一般に自覚症状に乏しく、男女に関係なく様々な職種にみられます。
多くは仕事上や社会的なストレスなどが原因で、夜間寝ている時に歯ぎしりをすることでストレスを発散しているといわれています。
ヘビースモーカーやコーヒーを何杯も飲む人、野球選手でバットを振る際に歯を食いしばることによる習慣性のもの、歯並びに異常があって起こる、などの場合もあります。
自覚症状として、朝起きた時にあごがだるいとか、あごの筋肉(耳の下の部分)が張っているとか感じる人もいますが、多くは自分ではわかりにくいものです。
寝ている時に「ギリギリ」「ボリボリ」といった歯をすり合わせる音を立てていることを人から指摘されて初めて知る人も多いのです。
歯ぎしりの状態が進行すると、歯が割れる、折れるなどの明らかな歯科の問題のほか、あれごの関節にも影響を与えて顎関節症(あごが痛い、国が開きにくいなど)を起こすこともあります。
歯ぎしりの治療方法には、従来から歯ぎしりを防止するマウスピースを装着する方法、歯列矯正などの歯科的方法が行われてきました。
これらの方法は、多くの人に効果が上がる方法ですが、症状が持続するケースもあります。既存の治療法で効果の見られない場合に、ボトックスを用いた治療が試みられています。
頑固な歯ぎしりを伴う患者にボトックスを症状を起こしているあごの筋肉に注射した結果、顕著な効果をすべての患者に認めたとの実験報告があります。
脳に疾患のある場合にも非常に頑固な歯ぎしりはが見られる場合がありますが、そうした場合にもボトックスは効果をあげています。
マウスピースなどの治療が耐えられない場合には、経験を積んだ臨床医によるボトックス治療を試みてもよいでしょう。
ボトックスで足を細くする
ボトックスは、ふくらはぎの筋肉を細くするという治療にも用いられています。
ふくらはぎの筋肉は面積が大きいため、治療に用いる量は多くなります。
十分な効果を出すためには大量のボトックスを注射する必要があります。
ボトックスを大量に使用すると全身に問題を起こす場合もあります。
問題とはボトックスの副作用で、風邪をひいたように微熱を出したり、全身に倦怠感を覚えたりするといったことです。
大量のボトックスを使用する場合、若い女性への投与にはとくに慎重であるべきです。
妊娠中にボトックスは使えませんので、足を細くする治療にボトックスを使用する場合には、妊娠初期の可能性がないかを確認する必要があります。
ふくらはぎはダイエットやエクササイズをしてもなかなか細くならず、あきらめてしまいがちな部分です。
ふくらはぎの97%が筋肉という独特な構造をしているために痩せることが難しいのです。
ボトックスでふくらはぎを細くする原理はボトックスをふくらはぎに注入いることにより筋肉をリラックスさせる脚痩せを目論むものです。
ふくらはぎが太い、硬い、メリハリがないなどの悩みにも使われています。
ボトックスのふくさはぎ痩せは筋肉を麻痺させるたんぱく質を脚に注射する方法です。
脚の筋肉を麻痺(萎縮)させることで、一時的に脚の筋肉を使わなくさせ、ごく自然な形でほっそりとした脚を手に入れるものです。
ボトックスの治療自体はふくらはぎにボトックス注射をするだけなので、施術はたった2~3分で終了します。
ボトックスで筋肉を麻痺させるといっても、日常生活に支障はありません。
しかし数日間は、ピンヒールや高めの靴は危険なので控える必要があります。
1ヶ月ほどで効果実感する人が多いのが特徴で、1回の施術で半年から1年ほどもちますが個人差があります。
ボトックスと頭痛治療
ボトックスは、主に美容上の目的で多くの治療に使用されていますが、ボトックスの効用はこれだけではありません。
ボトックスは昔から、目の周りの筋肉がピクピクと痙攣(けいれん)する状態(眼輪筋痙攣)や小児麻痺、脳損傷後に起こる四肢の硬直状態の改善にも用いられてきました。
ここ数年では、美容目的で顔面にボトックス治療を受けた人の中に、長年悩まされてきた頑固な片頭痛がよくなったという報告が数多く出てきました。
これらの症例が多くなっているためアメリカ食品医薬品局(FDA)でも大がかりな臨床治験が行われています。
片頭痛は男性よりも女性に多いことが知られています。
偏頭痛患者の多くは毎日強い内服薬を飲み、なんとか社会生活を営んでいる状態です。
しかし薬には副作用があり、そのため薬が飲めない場合など、偏頭痛で仕事ができなくて生活に支障がでる場合もあります。
また、薬が効かない場合も多々あります。
ボトックスが頭痛に関係していることに関心が集まっていますが、現時点でわかっていることは、眉間のしわに関係する筋肉にボトックス注射した場合に、頭痛軽減の効果が最も顕著に見られるようだというです。
これ以外のボトックス治療でも側頭部、後頭部、えらの筋肉への注射でも軽減すると報告されています。
ボトックス注射で頭痛が軽減するケースは50~80パーセーントもあると言われています。
これだけのボトックスの頭痛に対する症例があるためFDAも臨床治験をしているわけです。
ボトツクスが頭痛に効く理由には、3つの仮説が立てられています。
1.眉間の筋肉にはさまれた三叉神経(感覚神経)の末端がボトックスによってリラックスするために頭痛に効く。
2.痛みの神経の末端に作用して緩和するという説。
3.注射部位から逆行性に脳内の神経に影を響を及ぼして痛みをコントロールするという説。
実際にはボトックスがどのような仕組みで頭痛に効果を発揮しているのかはわかっていません。
人は表情と感情が連動していますから、明るい表情になれば、気持ちもあかるくなり、頭痛も軽減するのかもとれません。
いずれにせよ頭痛に長年悩まされている方には朗報であることは間違いありません。
少量のボトックス治療で6カ月間くらい頭痛が抑えられる新しい治療が確立される日も近いかもしれませんね。
ボトックスの健康保険適用
ボトックスの健康保険適用
医薬品
医療用医薬品としては Alan B. Scott により、斜視に対し極めて微量のA型毒素が使用されたのを初め、2006年現在、75ヵ国で様々な疾患に用いられている。
ボトックスの保険適用は日本国内においては限られた治療に対してのみ適用されます。
A型ボツリヌス毒素製剤(商品名:ボトックス、Botox)が、1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年には、痙性斜頸の適応で承認されています。
2006年まで、B型ボツリヌス毒素の臨床試験も行われていました。
アメリカでは、斜視、痙性斜頸、眼瞼痙攣に加え、多汗症の適応に承認されています。
ボトックスは医療用としてだけでなく、美容外科領域において筋弛緩作用を応用したしわ取りや輪郭補正(エラ取り)の目的で使用されることが多くなっています。
しかし、これらに関してボトックスはいずれも日本で正式に承認を受けていないので保険の適用はありません。
ボトックスの適応取得状況
<日本>
眼瞼痙攣
片側顔面痙攣
痙性斜頸
<イギリス>
眼瞼痙攣
片側顔面痙攣
痙性斜頸
小児脳性麻痺による下肢痙縮(2歳以上)
腋窩の多汗症
脳卒中後の上肢痙縮
<フランス>
眼瞼痙攣
片側顔面痙攣
痙性斜頸
眼球運動障害(斜視
動眼神経麻痺および甲状腺神経障害)
小児脳性麻痺による下肢痙縮(2歳以上)
脳卒中後の下肢痙縮
腋窩の多汗症
<ドイツ>
眼瞼痙攣
片側顔面痙攣
痙性斜頸
小児脳性麻痺による下肢痙縮(2歳以上)
脳卒中後の上肢痙縮
腋窩の多汗症
<カナダ>
斜視
眼瞼痙攣
第7脳神経障害(12歳以上)
痙性斜頸(成人)
小児脳性麻痺による下肢痙縮
多汗症
脳卒中後の下肢痙縮
<オーストラリア>
眼瞼痙攣
片側顔面痙攣
第7脳神経障害(12歳以上)
小児脳性麻痺による下肢痙縮(2歳以上)
痙性斜頸
腋窩の多汗症
眉間の皺
痙縮(成人)
痙攣性発声障害
斜視
<チリ>
斜視
眼瞼痙攣
第7脳神経障害(12歳以上)
脳性麻痺
痙縮(成人)
振戦
ジストニア
ミオクローヌス
片側顔面痙攣
痙性斜頸
発声障害
痙性障害
攣縮に伴う背部・頸部・脊椎痛
歯軋り
<イタリア>
眼瞼痙攣
痙性斜頸
小児脳性麻痺による下肢痙縮(2歳以上)
片側顔面痙攣
脳卒中後の上肢痙縮
腋窩の多汗症
<韓国>
斜視
眼瞼痙攣
第7脳神経障害(12歳以上)
脳性麻痺
痙性斜頸
<メキシコ>
斜視
眼瞼痙攣
片側顔面痙攣
脳性麻痺
痙性斜頸
片頭痛
膀胱排尿筋過活動
発声障害
多汗症
顔面の表情皺
筋の過緊張による背部痛
歯軋り
裂肛
アカラシア
振戦
ミオクローヌス性障害
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